メタボリック症候群と特定健診制度

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メタボリック症候群の予防と早期発見のために、日本では2008年4月から特定健康診査が始まりました。これは政府における医療制度改革の一つであり、増え続ける医療費に歯止めをかけるための政策でもあります。厚生労働省では今後5年間でメタボリック症候群とその予備軍を10%減らし、国の医療費を年間約6兆円減らそうという目標をあげています。
特定健診は企業の健康保険や国民健康保険に加入している40歳から74歳までの本人とその扶養家族が、年に一度受ける健診です。医療保険者が責任を持って健診を実施することが義務付けられています。そしてこの健診制度によって中高年のほぼ全員が特定健診を受けることになります。
これまでにも団体や自治体などによって健康診断は実施されてきましたが、特定健康診査ではメタボリック症候群の概念を取り入れた内容である点で大きく異なっています。実際の健診ではメタボリック症候群の判定基準の一つである腹囲とLDLコレステロール値が追加されており、検査値を調べるだけではなく、メタボリック症候群を見つけるための本格的な健康診断となっています。また健診の結果が悪かった場合には医師や保険師、管理栄養士による「特定保健指導」によって日常生活についての指導を受けることになります。
メタボリック症候群は自覚症状がないまま進行する場合が多くあります。特定健診はメタボリック症候群の早期発見や予防だけではなく、一人一人の予防意識を高め、多くの人が健康的な生活を送ることも目的の一つです。

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